研究課題/領域番号 |
16K14558
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
神経生理学・神経科学一般
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
小早川 令子 関西医科大学, 医学部, 教授 (40372411)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2017年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 情動 / 先天的恐怖 / 嗅覚 / 体温 / 神経科学 |
研究成果の概要 |
恐怖は強力な情動であり、生存に必須となる危険からの回避や防衛行動を強力に誘発する。恐怖情動は先天的と後天的なメカニズムによって誘発され、先天的恐怖行動と後天的恐怖行動は異なる神経メカニズムによって誘発されることが示唆されているが、両者によって誘発される生理応答の違いやその制御メカニズムに関しては不明な点が多かった。報告者らは自らが独自に開発したマウスに極めて強力な先天的恐怖情動を誘発する匂い分子を用いることで、後天的恐怖情動は体温と心拍数の上昇を誘発するのに対し、先天的恐怖情動が低体温・徐脈を誘発するという正反対の生理応答を誘発することを明らかにし、両者が異なる情動状態であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
後天的恐怖がいわゆる闘争逃走反応に必要な体温および心拍数の上昇を引き起こすことは知られていたが、本研究により強力な先天的恐怖が体温低下と心拍数の顕著な低下を引き起こすことが示された。また、先天的恐怖刺激を長時間作用させることでtorporのような低体温状態を引き起こせるものの、先天的恐怖と冬眠/torporによる低体温誘発メカニズムは異なることが示唆されたことから、今後先天的恐怖の低体温誘発メカニズムを明らかにすることで、新たな温度制御メカニズムや生理学的意義が明らかにされることが期待される。
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