研究課題
挑戦的萌芽研究
ほ乳類において経験による脳機能の発達を司る抑制性ニューロン(PV細胞)に特異的な遺伝子発現・クロマチン動態制御を明らかにすることを目的とした。PV細胞の発達に必須なホメオタンパク質Otx2の下流遺伝子群を、ChIP-seqおよび細胞種特異的RNA-seqを用いて網羅的に同定したところ、PV細胞に特徴的な高頻度発火に必要な機能発達に加え、それに伴うホメオスタシス制御の重要性が明らかになった。また、コヒーシン関連因子の機能解析からPV細胞の成熟にクロマチン構造の制御が重要であることが示唆された。
脳の成長には、神経回路の興奮性を調節する抑制性の神経細胞の働きが不可欠である。本研究では、経験に応じて脳の発達を促すOtx2が調節し得る遺伝子として、抑制性神経細胞の機能に必要な遺伝子群や、細胞の恒常性を保つ抗酸化遺伝子を新たに発見した。また、遺伝子調節の背景にある染色体の構造の調節の重要性も見出した。本研究の成果は、脳の成長のしくみと、その異常による精神疾患の原因の解明につながると期待される。
すべて 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件)
Development, Growth & Differentiation
巻: 60 号: 8 ページ: 473-482
10.1111/dgd.12571
生体の科学
巻: 68 号: 1 ページ: 54-58
10.11477/mf.2425200575
Frontiers in Neuroscience
巻: 11 ページ: 307-307
10.3389/fnins.2017.00307
Scientific Reports
巻: 7 号: 1 ページ: 12646-12646
10.1038/s41598-017-04007-x