研究課題/領域番号 |
16K14974
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
海野 徹也 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (70232890)
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研究協力者 |
冨山 毅
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | タイ科魚類 / クロダイ / 分離浮遊卵 / 産卵場 / 産卵時間 / 減耗 / 遺伝 / 閉鎖的水域 / 広島湾 / 魚卵 / 産卵 / マダイ / 浮遊卵 / 発育段階 / 生残 / 遺伝生態 / 水産学 |
研究成果の概要 |
閉鎖的海域をフィールドとして、タイ科魚類クロダイの浮遊卵をモデルに、魚卵の生態および遺伝情報を収集した。広島湾において、卵は均質に分布しておらず、マガキ養殖場付近で高密度であった。よって、クロダイはカキ筏を産卵場として利用していると思われた。卵数法によって広島湾のクロダイ親魚数を推定すると、約800~1000万尾となった。採取した授精卵の発生段階を特定し、受精時間を推定することで産卵時間を推定したところ、産卵のピークは午後6~8時と考えられた。産卵時間に採集した受精直後の卵は遺伝変異に富み、有効親魚数Neは無限大となった。受精卵の減耗率は比較的高く、0.9/dayと推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マダイやクロダイなどのタイ科魚類は、瀬戸内海を中心に重要種となっており、資源管理のための産卵生態などの情報蓄積が必要である。本研究は、タイ科魚類、特にクロダイ受精卵をモデルとして、遺伝生態学的な情報の収集を試みた。その結果、これまで未知であった卵密度、産卵時間、卵数法による推定親魚数、有効親魚数、受精卵の減耗率などの情報が得られ、卵仔稚学の新規研究分野の牽引に貢献できた。一方、産卵場や産卵時間などの情報はクロダイ資源の持続的利用に有益である。本研究がモデルとなって、海産魚の産卵生態の解明が活性化することを期待したい。
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