研究課題/領域番号 |
16K15893
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
基礎看護学
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研究機関 | 中部学院大学 |
研究代表者 |
真鍋 智江 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (20369531)
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研究分担者 |
浅野 俊和 中部大学, 現代教育学部, 教授 (00300351)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 社会事業史 / 母子保健 / 乳児死亡率 / 恩賜財団愛育会 / 愛育研究所 / 斎藤文雄 / 地域婦人会 / 育児 / 総力戦体制 / 科学的育児法 / 栄養研究 / 看護の歴史 / 社会福祉史 / 愛育研究所保健部 / 保育史 / 看護学 |
研究成果の概要 |
本研究は、総力戦体制下に恩賜財団愛育会(1934年3月創立の母子保健事業団体)が発行した機関誌『愛育』『愛育新聞』の記事から、同会が主張した「母子保健」思想を抽出し、その歴史的特質を検討した。結果、愛育会が主張した「母子保健」思想 は、「科学技術新体制」を背景として科学的な育児に重点をおいていたことを指摘した。そのねらいは、科学的根拠に基づいた正しい育児知識や技術の普及により誤った伝統的な育児方法を改善し、欧米諸国よりも高い乳児死亡率を低減することであった。事例から愛育会は、書籍出版のほか保姆や保健婦を教育することで「母子保健」思想の普及を図り、乳児死亡率の低減に貢献したことも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、愛育会が主張した「母子保健」思想を探る上で、「母子保健」に関する研究や愛育会研究において見過ごされてきた愛育研究所保健部による調査研究に着目した。この試みによって、国策である「国民生活の科学化」の高まりと、愛育会による科学的な育児を普及するための取り組みとの結びつきを明らかにすることができた。また、そうした「科学」を軸とした探究によって、総力戦体制下における愛育会、行政、地域住民の三者の関係性を浮かび上がらせることとなった。これらの成果は、看護学分野のみならず、隣接する保育学・教育学・社会福祉学分野などの歴史学研究において新たな見解を言及したといえよう。
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