研究課題/領域番号 |
16K16204
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境影響評価
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研究機関 | 公益財団法人海洋生物環境研究所 |
研究代表者 |
山本 雄三 公益財団法人海洋生物環境研究所, 海生研実証試験場, 主査研究員 (60532405)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 海洋酸性化 / 魚類 / 嗅覚行動 / 嗅覚 / 行動 / 行動実験 / 電気生理学的手法を用いた実験 |
研究成果の概要 |
本研究は魚類の嗅覚に基づく行動に着目し、海洋酸性化が魚類の嗅覚機能に与える影響を明らかにすることを目的とした。実験にはカクレクマノミを用い、(1)摂餌行動及び(2)カクレクマノミとイソギンチャクの共生の2点の嗅覚行動を対象とした。自然濾過海水、1,000 ppm及び2,000 ppmの3段階の実験水に実験魚を曝露し、行動実験を行った。実験の結果、いずれの場合においても行動に大きな変化はみられなかったため、カクレクマノミの嗅覚は海洋酸性化に対して耐性がある可能性が示唆された。しかし、本実験で用いた実験魚は成魚であったため、より脆弱な幼魚で影響がみられる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人間活動で増加した大気中の二酸化炭素の一部は海洋に吸収され、海洋酸性化を引き起こす。陸水域における酸性雨による環境水の酸性化が魚類の嗅覚に与える影響については多くの既往研究があるが、低pHによる嗅覚機能の低下が主な影響として挙げられる。酸性雨の原因物質は二酸化硫黄と窒素酸化物であり、海洋酸性化とは原因物質が大きく異なるため、魚類の嗅覚に与える影響は2者で異なるのではないかと考えられている。しかし、魚類の生存の根幹をなす嗅覚行動に与える海洋酸性化の影響については、研究事例が極めて少ないのが現状であり、本申請で得られた知見は海洋酸性化が魚類に与える影響を議論する上で意義深いものであると考える。
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