研究課題/領域番号 |
16K16220
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
自然共生システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平尾 聡秀 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 講師 (90598210)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ニホンジカ / 森林生態系 / リター分解 / 機能形質 / 土壌微生物 / ホームフィールド・アドバンテージ効果 / 局所適応 / リタ―分解 / 生物多様性 / 生態系サービス / 物質循環 |
研究成果の概要 |
本研究では、リターの形質と土壌微生物の機能の関係を考慮して、ニホンジカによる植生衰退がリター分解プロセスに及ぼす影響を明らかにするために、リター-土壌微生物間の相互作用を分析した。その結果、リター分解においては、局所的に適応した土壌微生物との組み合わせによって、最適な分解が行われるというホームフィールド・アドバンテージ 現象が存在し、シカによる植生衰退はリター-土壌微生物間の相互作用を改変することが明らかになった。本研究から、シカ食害はリター分解に関わる腐食連鎖を不可逆的に変化させ、森林の物質循環に影響を及ぼし得ることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
森林生態系は重要な炭素シンクであり、リター分解は森林の炭素動態の主要なプロセスの1つである。これまで、リター分解速度は気候とリターの形質によって決まると考えられてきたが、近年では、リターの形質と適応的な土壌微生物の組み合わせで分解が促進されることが知られている。本研究では、シカによる植生衰退が、リター-土壌微生物間の関係を損なう可能性があることを明らかにした。この成果は、植食者を介した地上部-地下部相互作用が生態系プロセスに及ぼす影響について新たな知見を示すとともに、森林の炭素動態の予測に寄与すると期待される。
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