研究課題
若手研究(B)
四肢の筋力トレーニングでは、トレーニング対象でない左右反対側の上肢・下肢でも筋力が増強する現象(Cross-education)が知られている。本研究はこの現象の神経基盤を部分的に明らかにすることを目的としていたが、結果的に、その前段階にあたる筋力計測と筋力増強プロトコルの再現性について問題を指摘するものとなった。つまり、よく用いられている計測方法でも計測姿勢が変わると再現性が危うくなること、先行研究に基づいたプロトコルでもトレーニング部位によっては処方量が不足する可能性があることが示唆された。その一方で、自作の装置によって高い再現性を備えた手指筋力計測方法を確立できた。
これまでの研究成果は、Cross-educationの神経基盤にまつわる議論を解決するための素地を整えた点で学術的意義がある。また、確立された筋力計測法をアレンジする場合の再現性や、あまりトレーニング対象とされない筋を鍛える場合の処方量についての注意喚起となる点で社会的意義がある。今後、当初計画していた神経科学研究まで発展させることにより、片側上肢に問題を抱えた者に対する運動療法プロトコルの開発につながる可能性がある。
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森ノ宮医療大学紀要
巻: 13 ページ: 15-22
120006586082