研究課題/領域番号 |
16K16586
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
応用健康科学
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
Hu Di 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (60758580)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 慢性疲労 / ストレス / 内分泌異常 / レプチン / グレリン / コルチコステロン / ACTH / 疲労モデル / 生理学 / 脳・神経 / 行動学 |
研究成果の概要 |
慢性疲労症候群の詳細な発症メカニズムは未だに分かっておらず、根本的な治療方法は確立されていない。本研究は14日間疲労負荷をかけ、慢性疲労モデルの作成に成功した。このモデルは自発行動量回復遅延をはじめ、負荷休憩中睡眠量の経時変化や強制水泳時間の低下、酸化ストレスの上昇に加え、ストレス関連ホルモンの上昇、ネガティブフィードバック調節異常等を示した。一方、食欲増進ホルモングレリンは疲労負荷により上昇し、食欲減退ホルモンレプチンが著しく減少した。さらに、摂食抑制効果を持つaMSHが上昇すした。食欲増進のグレリンと摂食抑制のaMSHが共に上昇したことは疲労の蓄積に伴う食欲制御中枢の機能異常を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、疲労の回復が1週間に遅延するモデルを確立させた。このモデルはヒトの慢性疲労症候群に近い状態を示しており、疲労研究の新たなルーツとしてレプチンとグレリンの慢性疲労における意義を検討した。疲労負荷早期に両ホルモンが同時に上昇し、疲労負荷後期にグレリンの増加とレプチンの低下が見られ、さらに摂食抑制効果を持つaMSHが上昇すした。こうした変動は疲労の蓄積に伴う食欲制御中枢の機能異常を示唆し、両ホルモンの疲労深刻度を表す指標としての可能性を示した。本研究は食欲機能制御異常だけではなくストレス関連ホルモンのネガティブフィードバック制御異常にも突き止めており、慢性疲労の脳内発症機序解明につながる。
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