研究課題/領域番号 |
16K16665
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地域研究
|
研究機関 | 下関市立大学 |
研究代表者 |
橘 誠 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (30647938)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | モンゴル / 翻訳事業 / ナショナル・ヒストリー / 国史編纂 / ソ連史学 / モンゴル年代記 / 翻訳 |
研究成果の概要 |
本研究では、20世紀初頭の国家形成期モンゴルにおける翻訳事業、中でも国史編纂において翻訳がいかなる役割を果たしたのかを考察した。20世紀以前のモンゴルでは、いわゆる年代記という、チンギス・ハーンの一族の歴史がチベット仏教との繋がりで記されてきたが、独立宣言以降は漢語や満洲語文献の翻訳を利用することにより、より実証的に国家の独立を正当化する歴史が求められた。そのため、本来は蔑称であった「胡」など特定の集団を指さない概念を「モンゴル」と読み替えることにより、同じく「胡」と呼ばれた匈奴や突厥を自国史に取り込み、より古く、より広範囲の歴史を執筆することを可能にしたことを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アジア諸国、特に日本は近代化に際し数多くの欧文書籍の翻訳を行い、効率的にヨーロッパ近代文明を吸収することに成功したとされる。中国では、独自の翻訳も行われたが、語彙に関しては日本語化した漢字語彙がそのまま利用された。20世紀初頭に帝政ロシア、ソ連の影響下に独立運動が進展したモンゴルにおいても、翻訳によって思想や制度が導入されていった。本研究では、モンゴルにおける翻訳事業の中でも、特に歴史編纂における翻訳の役割に注目し、近代化における翻訳の重要性について、他のアジア諸国との比較対象となる事例を提供することを心掛けた。
|