研究課題/領域番号 |
16K16965
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 沙絵 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (80751205)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ケア / 感覚 / 民族誌の実践 / 了解可能性 / 間身体性 / 情動体験 / 伝達可能な理解 / 感覚/知覚 / 感覚の人類学/感覚人類学 / 情動体験の記述 / スリランカ / 高齢者福祉 / ケアの人類学 / 情動・感情 / 身体 / 響応する身体 / 文化的装置 / 情動 / スリランカ・シンハラ社会 / 介護・看取り |
研究成果の概要 |
一連の研究活動を通して「感覚(の)人類学」における議論との関連性がより明確になったと同時に、感覚に注目した民族誌的記述の意義について理解を深めることができた。従来の主要な議論は、研究者が感覚の文化的構築に重きをおくか、特定の感覚/感覚スキルがアクターをとりまく環境との相互行為のなかで浮上するダイナミックな過程に焦点をあてるかという点をめぐって展開してきた。これに対し本研究は、感覚的経験の柔軟性・可変性と、そうした経験に形を与える文化的カテゴリーの働きの双方に目を配った記述の重要性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
民族誌はある文化についての客観的な記述であるというよりは、特定の文脈に置かれた調査者と調査対象者とのあいだの感覚をも含む相互感化の過程でつくられるテキストでもある。他者の感覚的な経験に着目する意義は、視覚・言語中心主義的な西洋近代の認知のあり方を相対化する点にのみあるのではなく、特定の歴史的・社会的状況を生きる人々の生の断面で生じる広義の情動体験を捉え、可能な限り了解可能性を担保した記述を行う点にある。その過程で、調査者自身の感覚のあり方は必要に応じて見直され、翻訳の作業がつづく。本研究では伝達可能な理解を産出するのに寄与しうるような感覚に着目した民族誌的記述の手法と意義を明らかにした。
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