研究課題/領域番号 |
16K17099
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
経済学説・経済思想
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研究機関 | 名古屋商科大学 |
研究代表者 |
吉井 哲 名古屋商科大学, 経済学部, 教授 (10514341)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | Equation / 過程分析 / 価値論 / 古典派 / 限界革命 / J.S.ミル / リカードウ / equation / 生産費 / 需要と供給の原理 / 需要と供給 / 価格と数量の同時決定 / 経済学観 |
研究成果の概要 |
旧来より、J. S.ミルの価値論は需給均衡説と考えられている。しかしながら、彼の価格モデルは、価格と数量が同時決定される法則に全く支配されていない。後世の経済学者はミルが価格設定で使用した「Equation」という用語を「等式」ではなく「方程式」と誤解している。 ゆえに、ミルのシステムは、需給均衡説ではなく、時間を伴う逐次プロセスモデルであろう。ジェンキン(1868)は、ミルのシステムを、現在のミクロ経済モデルとほぼ同じであると誤読した。さらに、ジェンキンに影響を受けたマーシャル(1879)もミルの相互需要説を誤読し、経済学に均衡条件と安定条件の研究というテーマを導入した。以上の点を論証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古典派経済学における価格決定の等式をある「均衡への傾向」を表すものと解釈すれば、これは均衡にいたる経緯についての過程分析と言える。一方で、新古典派経済学では価格と数量が同時に決定される市場均衡理論である。と結論付けられる。独創的な点は「Equation」解釈を通じた古典派経済学の再解釈である。この点に関しては世界的に全く研究が進んでいない。分岐点としてのJ.S.ミル体系の正確な理解とそれが曲解して伝わった理由を解明することは、経済学の歴史を正しく理解することにも繋がる。
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