研究課題/領域番号 |
16K17433
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
教科教育学
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
大滝 孝治 北海道教育大学, 教育学部, 特任講師 (90750422)
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研究協力者 |
袴田 綾斗 高知大学, 教育学部, 助教 (50824215)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 確率 / 教えるべき知識 / 教師の専門性 / 制度的制約 / 教授学的転置 / 付随教授的(para-didactic) / 教授人間学理論 / 生態学的方法 / 困難性 / 生態分析 / 制約 / 探究 / 教授パラダイム / 教授工学 / 統計的確率 / 数学的確率 / プラクセオロジー / Study and research path / 生態学的分析 / 授業 / 教科書 / カリキュラム |
研究成果の概要 |
本研究では確率学習について,その阻害要因を二つの視点から考察した。一つは「教えるべき知識の性格」であり,もう一つは「教師の専門性」である。それぞれについて複数の要因を特定した。本研究が明らかにした阻害要因は,以下の2点に集約される。(1)「単元群」や「領域」といった比較的大きなサイズの教えるべき知識が「サイコロなどが正当な数学的道具としてみとめない」などの特徴をもち,それらは確率学習の障害となる。(2)そうした一授業や一単元を超えた大きさの内容構成に関わる特徴への介入は,教師の専門的なタスクに含まれないため,授業において確率学習の困難性が乗り越えられることはない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,確率学習の困難性の要因を,特に「教えるべき確率知識」と「教師の専門性」の視点から明らかにした点である。これらの視点は通常の教科教育研究では,暗黙の前提とされ,これまで主たる研究対象として取り扱われてこなかった。しかし,そもそもこれらの点に大きな要因があるとすれば,一授業や一単元における工夫で確率指導を改善しようとする試みには無理がある。本研究の成果は,確率学習の困難性の克服のためには,授業レベルの修正ではなく,カリキュラムレベルの改革や,教師の新しい専門性の開発が必要なことを示唆している。これが本研究の社会的意義である。
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