研究課題/領域番号 |
16K17599
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
菊田 伸 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 准教授 (40736790)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | リッチ曲率が負のケーラー・アインシュタイン計量 / 対数的標準束に対する正値性の退化 / 非有界幾何 / 体積増大度 / 留数 / 小平次元 / 一般化されたケーラー・アインシュタイン計量 / トロイダルコンパクト化 / ジーゲルモジュラー多様体 / 誘導されたベルグマン計量 / 境界挙動 / 中間小平次元 / 楕円モジュラー曲面 / 一般化ケーラー・アインシュタイン計量 / ベルグマン核の体積増大度 / ベルグマン計量の境界挙動 / ヴェイユ・ピーターソン計量 / 飯高ファイブレーション / ケーラー・アインシュタイン計量の境界挙動 / ケーラー・アインシュタイン計量の体積増大度 / カラビ・ヤオ境界 / アーベル境界 / 対数的標準束の正値性 / 複素双曲多様体のトロイダルコンパクト化 / ケーラー・アインシュタイン計量の体積増大 / 標準束の正値性の退化 / 小林測度双曲性 / カラテオドリー測度双曲性 |
研究成果の概要 |
本研究において, 準射影代数多様体上の負のリッチ曲率を持つ概完備ケーラー・アインシュタイン計量の境界挙動に関し, 2つの予想「体積形式内の対数項の冪に境界の小平次元が現れる」, 「留数と境界の一般化ケーラー・アインシュタイン計量が一致する」を見出し, その解決を目指した. 実際に最大小平次元の場合は完全に解決した. ゼロ小平次元の場合は体積形式を決定でき, 更に境界がアーベル多様体の時は, 適切に拡大した留数はリッチ平坦ケーラー計量となることを明らかにした. そして中間小平次元の場合では, (対数版の)具体例である2次元ジーゲルモジュラー多様体のトロイダルコンパクト化において両方を確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は, 有限型のリーマン面に対する古典的事実「対数的標準束の豊富性と, 各穴においてカスプ特異点を持つガウス曲率が-1の完備リーマン計量の存在は同値である」を高次元化している. ただし高次元の場合は, 豊富性が境界上で退化する状況が起こり, 境界近くでの計量の振る舞いを具体的に描写することは困難であるが, いくつかの状況で克服した. 更に, 豊富性の境界における退化度(小平次元, 一般化ケーラー・アンシュタイン計量)とケーラー・アインシュタイン計量の境界挙動(体積増大度, 留数)の関係まで明らかにしたため, 代数幾何的性質とリーマン幾何的性質の間に新しい対応を発見できる可能性がある.
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