研究課題/領域番号 |
16K17630
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数学解析
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研究機関 | 愛媛大学 (2019-2020) 同志社大学 (2016-2018) |
研究代表者 |
森岡 悠 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (80726597)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 関数解析学 / 散乱理論 / 関数方程式論 / スペクトル理論 / 逆問題 / 量子ウォーク / 関数解析額 |
研究成果の概要 |
時間に関して定常的な摂動を含む波動方程式に対し、入射波に対して摂動によって散乱波が生じる現象を数学的に解析する研究を行った。本研究では、生じるべき散乱波が現れないような特殊な現象である非散乱エネルギーについて詳しく研究を行った。その結果、ある種の条件下では、非散乱エネルギーは離散的に分布し、また無限個存在することを示した。非散乱エネルギーの分布はワイル則と呼ばれる漸近的な評価を満たすことも証明した。 一方、グラフ上の離散モデルの研究として、量子ウォークに対する散乱理論の研究を行った。主に1次元の量子ウォークについて、時間発展作用素の一般化固有関数と散乱行列の性質を詳しく調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、量子力学で知られている現象である共鳴トンネル効果に着想を得て開始したものである。共鳴トンネル効果は1次元の物理系では既によく知られているものであるが、本研究では、様々な不均質媒質や幾何構造による散乱理論を検討し、共鳴トンネル効果に相当する非散乱エネルギーがどのような条件下でどのように分布するのかを数学的に検証することを目標とした。多次元波動方程式の場合に非散乱エネルギーの存在とその分布について、一定の成果を得ることができた。非球対称な摂動を持つ多次元系で非散乱エネルギーの存在を示したのは本研究が最初である。また、離散的な系についても今後の研究につながる成果を得ることができた。
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