研究課題/領域番号 |
16K17636
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数学解析
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研究機関 | 長崎大学 (2018-2020) 苫小牧工業高等専門学校 (2016-2017) |
研究代表者 |
熊崎 耕太 長崎大学, 教育学部, 准教授 (30634563)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中性化現象 / 水分の輸送モデル / 准線形放物型方程式 / 自由境界問題 / 解の存在と一意性 / 数学解析 / 非線形現象 / 数理モデル / 準線形放物型方程式 |
研究成果の概要 |
本研究では、中性化現象を引き起こす原因である水分に対して、材料全体に分布している相対湿度に関する准線形放物型方程式と微視的細孔における水分の飽和度に関する自由境界問題を合わせた新しい水分の輸送モデルを導出した。このモデルに対して、時間局所解および時間大域解を構成した。 また、もう一つの原因である二酸化炭素に対して、大気中と水中との相互変化を考慮した輸送モデルを提案し、想定される境界条件のもと、時間大域解の存在を示した。これらの結果をもと、水分と二酸化炭素の輸送モデルによる中性化現象を表す数理モデルに対して、外力項など滑らかな近似を施した上で、時間局所解の存在を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中性化現象は、建造物の持続性を損なう原因として、近年、関連する物質の輸送モデルが提案され、数値的な解析が進められているが、その妥当性は検証されていない。本研究では、中性化現象の中心である水分と二酸化炭素に対して、個々の輸送モデル、およびそれらを連成させた数理モデルの適切性を考察した。これらの結果は、数値的な解析を保証する上で重要な結果であると考える。また、本研究においては、巨視的領域と微視的領域を扱う二重尺度法を導入した数理モデルの適切性を構築した。こうした二重尺度法を用いた解析が足掛かりとなり、多孔質媒体のように、巨視的変化と微視的変化を伴う非線形現象の解析が進展していくと期待される。
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