研究課題/領域番号 |
16K17637
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数学基礎・応用数学
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研究機関 | 横浜国立大学 (2018) 東北大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
瀬川 悦生 横浜国立大学, 大学院教育強化推進センター, 准教授 (30634547)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 量子ウォーク / 単体的複体 / 局在化 / クリークカバー / 位相測定 / 吸収壁 / 組み合わせ的フロー / 結晶格子 / 単体複体 / 極限分布 / 円分多項式 / 応用数学 |
研究成果の概要 |
量子ウォークとよばれる、ランダムウォークの量子的な類推によって定義されるモデルについて考察した。量子ウォークには周期性や局在化、線形的拡がりといった、興味深い性質を有する。そこで、このような性質を一つ固定した時に、それを実現するようなグラフの空間構造はどのようなものなのかを考察する所謂逆問題的な発想で取り組んだ。すると、例えば、無限グラフにサイクルがあるときには、そのサイクルにサポートを持つ固有関数が作れ、局在化が証明できた。さらにこのようなホモロジカルな構造に反応する性質をより抽出するために単体的複体上の量子ウォークの構成し、幾つかの空間構造を反映する挙動を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子ウォーク(QW)はファインマンの提唱する量子シミュレータの一つとして考えることができ、実際に幾つかの量子ダイナミクスを離散的与えることができる。従って、量子現象を近似的に再現するQWの挙動を明示的に示すことは重要である。本研究ではグラフを眺めただけでQWの挙動が預言できることをコンセプトに、局在化や周期性など特有の性質を与えるための空間構造を数学的に特定することができた。量子情報の分野から出てきた量子ウォークは、数学的な考察でより明示的に解りやすく説明ができるようになったところも現れ、数学の諸分野との連携が強化された。さらにQWから動機される新しい数学的な問題を提起することも期待される。
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