研究課題/領域番号 |
16K17709
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
|
研究機関 | 京都大学 (2017-2018) 早稲田大学 (2016) |
研究代表者 |
水野 俊太郎 京都大学, 基礎物理学研究所, 研究員 (60386620)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 宇宙物理(理論) / 宇宙物理 (理論) / 宇宙論 / インフレーション / 闇黒エネルギー |
研究成果の概要 |
私は本研究課題において、最近有効場の理論の観点などから注目されている微分結合項が重要な役割を果たすインフレーションモデルを幅広い観点から考察をし、新しい現象論を提案した。場空間が双極型となるモデルにおいて通常とは異なる振る舞いをする原始密度揺らぎが生成されること、複数場インフレーションにおいて微分結合項が量子もつれを生じさせ、それがCMBのスペクトルにおける振動的微細構造として現れること、有質量重力理論でインフレーション後のダイナミクスが将来的に観測可能な宇宙背景重力波を生じさせることがある。これらは微分結合なしでは得られなかった新しい物理であり、今後も継続して調べる価値のあるものと思われる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有効場理論の手法は素粒子物理学においては非常によく用いられていたものの、宇宙論においてその有用性が認識されだしたのはごく最近である。有効場理論はある系がある対称性を満たすときに作用に許される項すべてを系統的に扱えるという利点があり、今回考えた微分結合項は系の対称性が通常よりも低いときに現れるものである。私が今回見つけた微分結合項によって生じる新しい現象論はいずれも将来の宇宙論的な観測によって検証可能であり、それは初期宇宙における対称性を特定するうえで重要な役割を果たす。また、 有効理論を超えたより根本的な新しい物理を知る上でも重要な手がかりを与えるもの と思われる。
|