研究課題/領域番号 |
16K17744
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
|
研究機関 | 金沢大学 (2018) 東京大学 (2016-2017) |
研究代表者 |
吉田 靖雄 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (10589790)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 超伝導 / 走査トンネル顕微鏡 / 重い電子系 / 表面物理 / 重い電子系超伝導体 / 軌道秩序 / 物性実験 |
研究成果の概要 |
本研究は、超低温・強磁場で動作する走査トンネル顕微鏡を開発し、一般的に均一な性質を示す超伝導現象の空間的な変調構造を実空間で直接捉えることを目的としていた。本研究で開発したSTMは、グラファイトの原子分解能を得る程度の解像度を得ることができたが、超低温・強磁場でのノイズレベルには今後の改善を要する。一方、3He冷凍機ベースのSTMを用いて、表面において誘起されたCo原子軌道の秩序構造を世界で初めて観察した。第一原理計算から、バルクでは伝導電子によって遮蔽された局在Co原子間のクーロン斥力が、表面においては遮蔽効果が薄れることで増強され、この現象が引き起こされることが明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で発見された、表面誘起の軌道秩序現象は、これまで直接的な観察が困難だった原子軌道の物理現象を直接的に視覚的に捉えた成果である。そのため、今回と同様な測定を通して、物質の機能発現に重要な役割をする、原子軌道の物理現象の理解が今後更に深まることが期待される。また、今回見つかった表面誘起の軌道秩序現象は、電子がどの原子軌道を占有するのかという、軌道の自由度を有する物質の表面においては普遍的に起こりうる現象であり、今後、超伝導や磁性との関係が明らかになれば、新たな機能を有するスマートマテリアルの開発・設計にも大いに役立つ可能性を秘めている。
|