研究課題/領域番号 |
16K17748
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
青山 和司 大阪大学, 理学研究科, 助教 (00623133)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フラストレート磁性体 / スピン-格子カップリング / パイロクロア格子 / 輸送現象 / パイロクロア反強磁性体 / 磁性 |
研究成果の概要 |
磁性体において、格子上のスピン間に相互作用の競合、すなわち磁気的フラストレーションが存在する場合には、系は低温まで安定な構造に落ち着くことができない。このような場合、しばしばベースとなる格子を歪ませることでフラストレーションを解消し、磁気長距離秩序が出現する。本研究では、パイロクロア格子反強磁性体を対象とした数値解析を行い、対応する磁性体であるスピネルクロム酸化物において「局所的な」格子歪みが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また、ブリージングパイロクロアと呼ばれる非一様な格子構造は、長距離秩序でありながら残留エントロピーをもつ新奇磁性相を実現する舞台となることも明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質を構成する電子は電荷とスピンの2つの自由度をもち、それぞれ物質の電気的性質、磁気的性質を担っている。通常、金属では電荷が、磁性体ではスピンが主役となる。一方、マルチフェロのような電気と磁気が相関する機能性物質では、固体中の電子軌道や結晶格子など電荷に関わる自由度とスピン自由度の結合が重要である。フラストレート磁性体と呼ばれる結晶格子上のスピン間に複雑な相互作用が働く磁性体におけるスピン-格子結合の効果を取り扱った本研究の成果は、機能性物質をはじめ、トポロジカル絶縁体や超伝導体などスピン自由度と電気的自由度の結合が重要となる様々な物質群の研究に新たな知見をもたらすものである。
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