研究課題
若手研究(B)
本研究では、単為結果性を示す2種類のトマト変異体を用いて、変異体における種無し果実の形成がどのような制御機構で生じるのかを明らかにすること、ならびに1系統の新規変異体の原因遺伝子を同定することを目的とした。変異体解析の結果、1系統の変異体において、種無し果実の形成が植物体のフラボノイド欠損により生じる栄養器官の発達と関連して、起こることが分かった。新規変異体の解析においては、原因遺伝子が新規遺伝子である可能性が示唆された。これらの変異体の解析により、単為結果性と果実発達を制御する分子機構に関する新たな知見を得ることができるものと期待される。
本研究で単離した新たな単為結果性育種素材は、単為結果性に関する研究材料としてだけけでなく、品種育成に向けた育種素材としての利用が期待される。果実発達研究のモデルとして利用されているトマトにおける単為結果性の分子機構を解明することにより、それらの知見をピーマンやメロン等の果菜類における着果率向上、応用することが可能である。また、新しい制御因子を利用した高収量品種の育種や環境変動に伴う夏期の高温下での収量性改善に寄与することが期待される。
すべて 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)
Plant & Cell Physiology
巻: 60 号: 1 ページ: 38-51
10.1093/pcp/pcy184
http://tsukuba-olericulture.org/