研究課題/領域番号 |
16K18736
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
水圏生産科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
入江 貴博 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (30549332)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ベリジャー幼生 / ベントス / 温度 / 動的エネルギー収支 / 中立遺伝情報 / 水産学 / 貝類 / 初期生活史 / 生態学 / 加入量 |
研究成果の概要 |
海産ベントスの個体群への加入量を予測するための手法を確立することを目指して、実証研究と理論研究を平行して進めた。浮遊幼生の飼育実験を行い、異なる温度条件で作られた幼生殻の標本を得た。黒潮流域の複数の産地に赴き、野外で浮遊期を経験した個体の幼生殻とDNAを収集した。次世代シーケンシング技術を利用して得た対象種の全ゲノム情報を解析する過程で、副産物として同種のミトコンドリアDNAの全情報が得られたため、これを原著論文として報告した。さらに、野外で無作為にサンプリングされた個体の中立遺伝情報から判明した個体間の近親関係から、その年の加入個体数を推定するための統計学的アルゴリズムの改訂を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋生物の個体群動態を決める重要な要因のひとつとして、孵化から個体群への加入までに起こる死亡があるが、この期間に起こる斃死は、個体を取り巻く環境の温度に大きな影響を受ける。本研究で得られた成果は、孵化から加入までに経験した温度を幼生期の殻から推定する手法の確立に大きく貢献した。また、幼生期の分散経路を推定するために必要な、集団遺伝情報の収集に成功した。今後の研究の進展により、海洋環境からその年の加入の規模を正確に予測することを可能とする数理モデルの構築が期待される。この目的を達成する上での副次的な成果として、海産無脊椎動物の分散生態、石灰化、系統進化に関する知見の増大に貢献した。
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