研究課題
若手研究(B)
ホスファチジルイノシトールリン酸は生体膜の構成成分であり,細胞機能に必須の脂質である.病原糸状菌である炭疽病菌感染時に,ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸(PI[4,5]P2)という微量脂質が,侵入菌糸のまわりに集積することが明らかになった.PI(4,5)P2の合成酵素PIP5Kを過剰発現させると炭疽病菌の感染に弱くなることから,炭疽病菌はPI(4,5)P2が多い侵入菌糸嚢膜を植物側に作らせ,感染に適した環境を作り出していることが示唆された.
本研究により,炭疽病菌感染のためには,植物細胞内で,微量脂質であるPI(4,5)P2の集積が重要であることが明らかになった.PI(4,5)P2は植物の生存に必須の脂質であるため,炭疽病菌はそのシステムを効率よく乗っ取り,感染を成立させていることが示唆された.炭疽病菌の防除ためには,PI(4,5)P2の量を適切に保つ必要があることが本研究より示された.
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 2件)
Plant & cell physiology
巻: 印刷中
Plant Physiology
巻: 176 号: 1 ページ: 199-207
10.1104/pp.17.01522
Plant Cell Physiol.
巻: 57 号: 9 ページ: 1854-1864
10.1093/pcp/pcw107