研究課題/領域番号 |
16K18882
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 (2017-2018) 公益財団法人東京都医学総合研究所 (2016) |
研究代表者 |
三木 寿美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任研究員 (00632499)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ホスホリパーゼA2 / 脂質 / 皮膚疾患 / 癌 / 免疫 / 腸内細菌叢 / メタボローム / リポクオリティ / がん / 抗炎症 / 腸管 / 腸内フローラ |
研究成果の概要 |
細胞外リン脂質代謝酵素sPLA2のうち、sPLA2-IIDはω3脂肪酸由来の脂質メディエーターを動員して皮膚炎症疾患を改善する一方、抗腫瘍免疫を抑制して皮膚癌を増悪したことから、sPLA2-IIDの免疫抑制作用は病態に応じて改善と増悪の二面的役割を持つことが明らかになった。また、sPLA2-IIA KOマウスは野生型よりも皮膚癌発症率が低下し、この表現型は同居飼育により腸内細菌叢を混在させることで消失した。糞便メタボローム解析ではKOで微生物由来の脂質が変化したことから、sPLA2-IIAは腸内細菌叢の調節作用を介して全身の免疫や代謝系を変容させ、遠隔組織に間接的に影響するものと想定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、炎症促進性脂質メディエーター動員酵素としてのPLA2の既成の概念とは異なる脂質代謝酵素の新しい動作原理を提示しており、炎症性疾患の制御および腸内細菌叢の研究領域に新しい概念を導入するものと言える。また、sPLA2-IIAによる腸内細菌とその代謝物の変化を定性的・定量的に捉えたことは、将来的に疾患の発症や予後を予測するための新規診断法の開発や当該代謝物を利用した創薬への応用展開が期待される。近年、ω3脂肪酸や腸内細菌叢の健康への効果が広く認識されつつあり、本研究成果は疾患の制御や予防において身近な概念として普及することが見込まれる。
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