研究課題/領域番号 |
16K18892
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
薬理系薬学
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
山本 泰弘 姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (70533850)
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研究協力者 |
高馬 宏美
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腎臓癌 / プロテオーム解析 / プロテオミクス / 薬理学 / 癌 / プロテオーム |
研究成果の概要 |
抗がん剤が効きにくい悪性腫瘍である腎臓癌を研究対象とし、新たな薬物治療の候補となる物質を探索することを目的に研究を行った。内因性抗腫瘍物質である15‐デオキシ‐Δ12、14‐プロスタグランジンJ2を細胞死が起きない低濃度で腎臓癌細胞に適用すると、がん悪性化の原因である遠隔臓器転移の初期段階と考えられている癌細胞の遊走が抑制されることを見出した。von Hippel-Lindau(VHL)遺伝子は、腎臓癌の発症に関連が深い遺伝子である。15d-PGJ2はVHL遺伝子を持つ腎臓癌細胞と持たない腎臓癌細胞の両者において、抗がん剤の効果を増強することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞遊走は、悪性腫瘍が原発巣から転移する際に起こる現象である。本研究の検討によって、15d-PGJ2は腎臓癌細胞に対して、細胞死を起こさない低濃度においても、癌細胞の遊走を抑制することが明らかとなった。内因性物質である15d-PGJ2の低濃度適用は、従来の抗がん剤治療に多くみられた副作用である正常細胞に対する細胞毒性を起こすことがないため、危険性の少ない転移治療に応用できることが期待される。また、15d-PGJ2を用いた治療は、VHL遺伝子変異の有無によらずに、抗がん剤の効果を増強することができるため、より多くの腎臓癌症例に応用できる可能性がある。
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