研究課題/領域番号 |
16K18956
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
矢野 健太郎 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (40644290)
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研究協力者 |
荻原 琢男
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | P-糖タンパク質 / 苦味 / 消化管吸収 / 輸送機能亢進 / 消化管ホルモン / 抗がん薬 / 即時的 / P-糖タンパク / トランスポーター / 細胞膜上局在 / 苦味受容体 / 足場タンパク / 即時的調節機構 / P-gp / 消化管 / 膜上発現 / 臓器特異性 |
研究成果の概要 |
小腸の上皮細胞には口腔内と同様に苦味受容体が発現しており、毒物が有する苦味を感知することで毒物センサーとして機能しているものと考えられる。本研究では、薬物の苦味によって、毒物を掃き出すトランスポーターであるP-糖タンパク質が機能亢進するのではないかと考えた。その結果、苦味物質および抗がん薬によってわずか数十分でP-糖タンパク質の輸送機能が亢進することを明らかにした。さらにそのメカニズムとして、苦味受容体の刺激が消化管ホルモンであるコレシストキニン(CCK)の遊離を促進し、CCK受容体の刺激を介してP-糖タンパク質の膜上発現量の増加が関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、薬物を始めとした生体異物の苦味が、小腸のP-糖タンパク質の輸送機能を即時的に機能亢進させること、またそのメカニズムにP-糖タンパク質の膜上発現量の亢進が関与していることが示された。これまでに報告されている小腸におけるP-糖タンパク質を介した相互作用には、P-糖タンパク質の基質薬物間での競合阻害による吸収亢進が挙げられる。これに対して本研究成果は、抗がん薬のように苦味を有するP-糖タンパク質の基質薬物同士を経口投与で併用したときには、即時的なP-糖タンパク質の機能亢進を介してそれらの薬物の吸収が低下することを示唆するものであり、新たな相互作用の存在を提案するものである。
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