研究課題/領域番号 |
16K19061
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
梅田 香織 日本大学, 医学部, 助教 (10445744)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | LXR / NKT細胞 / 肝臓 / 胸腺 / 抗腫瘍活性 / liver X receptor / サイトカイン / iNKT細胞 / 炎症 / がん / 核内受容体 / 肝炎 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
核内受容体LXRはコレステロール代謝調節センサーとして機能することが知られているが、同時にマクロファージなどの免疫細胞における自然免疫調節においても重要な役割を担うことが知られている。我々はLXR欠損マウスを用いた検討により、欠損マウスにおいて炎症及び抗腫瘍活性に関与するナチュラルキラーT(NKT)細胞が減少すること、がん細胞の肝転移が顕著に増加し生存率が低下すること、NKT細胞の機能障害は胸腺での分化成熟化異常が原因であることを見出し、LXRがNKT細胞の機能維持に必要であることを初めて発見した。以上の知見はLXRの腫瘍形成及びがん転移の治療標的としての可能性を示している。
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研究成果の概要 |
核内受容体liver X receptor(LXR)はコレステロール代謝調節を担う転写因子であるが自然免疫制御にも関与することが知られている。本研究課題では、LXRが高発現する肝臓に着目し、肝臓免疫細胞におけるLXRの機能を欠損マウスを用いて探索した。その結果、LXR欠損マウスにおいてナチュラルキラーT(NKT)細胞が顕著に減少し、NKT細胞依存性サイトカイン産生の減少及びがん細胞の肝転移が増加することを見出した。また、肝臓におけるNKT細胞の減少は胸腺における分化・成熟化の異常によることを明らかにした。以上の結果より、LXRはNKT細胞の機能維持に必須であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの報告により、LXRがマクロファージなどの免疫細胞において抗炎症作用を有することは知られているが、NKT細胞における機能解析は行われていなかった。NKT細胞はインターフェロンγやインターロイキン-4などのサイトカインを産生する他、高い抗腫瘍活性を保持するため、がんのみならず自己免疫疾患などの病態の進展にも関与することが知られている。我々は欠損マウスを用いた解析によりLXRがNKT細胞の胸腺における分化成熟化及び肝臓における抗腫瘍免疫に必須であることを初めて見出した。本研究においてNKT細胞を標的としたがんや自己免疫疾患の治療薬としてのLXRリガンドの薬剤開発への可能性が示された。
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