研究課題
若手研究(B)
本研究では、節足動物-共生細菌-病原体の三者の相互関係に着目した感染症の新しい制御・予防方法の確立に向けた情報基盤を構築するため、アフリカの吸血性節足動物が保有する細菌叢を網羅的に解析した。また、新規病原性細菌の分離も行った。19種258サンプルの節足動物を解析に供した。その結果、各サンプルで約100属を超える細菌群を検出した。また、節足動物から病原体の分離は成功しなかったが、吸血源のコウモリから新世界型回帰熱ボレリアグループに分類される新種の回帰熱ボレリアを分離した。本菌をCandidatus Borrelia fainiiと命名することを提唱した。
本研究では、マダニ類を中心に19種258サンプルの節足動物の細菌叢を解析し、アフリカにおける節足動物が保有する細菌叢の情報基盤を構築した。節足動物の共生細菌を利用し感染症の制御方法は現在注目を浴びている手法である。細菌叢解析で得られた知見は、この新しい制御方法を開発するのに重要な情報をもたらす。また、本研究では新種の新世界型回帰熱ボレリアの分離に成功した。本菌は、アフリカ大陸(旧世界)で分離された唯一の新世界型回帰熱ボレリアである。本菌をより詳細に解析することでBorrelia属細菌の分布・進化・系統分類に関する重要な知見が得られることが期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件)
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