研究課題/領域番号 |
16K19129
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
林 直樹 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (70707463)
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研究協力者 |
後藤 直正 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30121560)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 緑膿菌 / べん毛 / 上皮細胞 / トランスロケーション / 多機能性糖脂質 / ムチン層透過 / ムチン層 / 鞭毛運動 / 化学走化性 / 感知 / GRO-α / 感染症 / 細菌 |
研究成果の概要 |
臨床上重要な日和見感染菌である緑膿菌は、ムチンで覆われた上皮細胞層からなる粘膜上皮を越え(トランスロケーション)、重篤な血液感染症を引き起こすことがある。本研究では、腸管上皮細胞から分泌される複数のタンパク質(10 kDa以下)が緑膿菌によるムチン層透過を亢進し、その分泌因子の一つがケモカインのGrowth-related Oncogene alpha(GRO-α)であることを見出した。また、多機能性糖脂質が緑膿菌の増殖速度に影響を与えることなくケモタキシスシグナルを攪乱し、本菌によるべん毛依存性のムチン層透過を抑制することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では緑膿菌トランスロケーションにおいて、緑膿菌が上皮細胞を感知して接近する機構と多機能性糖脂質による緑膿菌トランスロケーション制御機構について明らかにした。近年、薬剤耐性菌が世界的に増加しているが、この30年間、新たなタイプの抗菌薬開発は進んでおらず、薬剤耐性菌に対する新たな治療戦略が国際的に求められている。また、緑膿菌のべん毛は、ワクチンや抗感染症薬のターゲットとして注目されており、ヒトでの臨床研究を含めて多くの研究が進行している。本研究成果は、緑膿菌トランスロケーションメカニズムを明らかにすることに加え、多機能性糖脂質が新たな感染症予防および治療に応用をできる可能性を示すものである。
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