研究課題
若手研究(B)
近年、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染受容体としてNTCPが同定されたが、そのほかのHBV感染許容能を規定する宿主因子に関して未だ十分な理解がされていない。本研究では、当研究室で樹立されたHBV感染許容性/非許容性細胞細胞を用いたトランスクリプトーム解析を用いてHBV吸着/侵入/核移行を制御する宿主因子を同定し、その感染制御メカニズムを解析した。同定した宿主因子の一つは、NTCPの細胞内発現量には影響せず、NTCPの細胞内局在制御を介してHBV侵入過程を制御する宿主因子であることが示唆された。本件を通じてHBVの細胞侵入の分子メカニズムを理解する上で重要な情報を得た。
B型肝炎ウイルス研究では、汎用的かつ高効率にHBV感染を許容する感染培養細胞系の改善、およびマウスモデルなどのin vivo評価系の樹立が求められている。近年HBV感染受容体としてNTCPが同定され解析が進んだが、HBV侵入過程の詳細な制御機構に関しては未だほとんど不明である。今後さらに詳細な解析が必要であるが、本研究で同定したHBVの細胞内への侵入過程を制御する宿主因子は、HBV感染の動物モデルのあるいは新たな抗HBV薬の標的となり得るため、新たな薬剤開発に寄与できると考えられる。
すべて 2019 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 7件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件、 招待講演 2件) 図書 (2件)
Frontiers in Microbiology
巻: 9 ページ: 3257-3257
10.3389/fmicb.2018.03257
Semin Liver Dis.
巻: 39 号: 01 ページ: 78-95
10.1055/s-0038-1676804
Journal of Virology
巻: 93 号: 5 ページ: 04132-18
10.1128/jvi.01432-18
Biochem Biophys Res Commun
巻: 印刷中 号: 2 ページ: 374-379
10.1016/j.bbrc.2018.04.187
Scientific Reports
巻: 8 号: 1 ページ: 2769-2769
10.1038/s41598-018-20987-w
J Hepatol
巻: 66 号: 4 ページ: 685-692
10.1016/j.jhep.2016.11.009
Hepatology
巻: 65 号: 4 ページ: 1104-1116
10.1002/hep.28952
J Virol
巻: 90(20) 号: 20 ページ: 9058-74
10.1128/jvi.00856-16