上皮組織におけるパラミクソウイルスの感染機構の解明

• 研究課題/領域番号: 16K19146
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: ウイルス学
• 研究機関: 国立感染症研究所
• 研究代表者: 加藤 大志 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 主任研究官 (80711712)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
• キーワード: パラミクソウイルス / ムンプスウイルス / 麻疹ウイルス / Heat shock protein 90 / Lタンパク質 / 複合体形成 / RNA合成 / ポリメラーゼ / Hsp90 / R2TP complex / コシャペロン / 上皮細胞

研究成果の概要

パラミクソウイルスの上皮組織における増殖機構を明らかにするために、代表的なパラミクソウイルスであるムンプスウイルスおよび麻疹ウイルスを用いて、ウイルス増殖に必要な宿主因子の解析を行った。シャペロンタンパク質であるHeat shock protein 90 (Hsp90)の機能を阻害すると、ポリメラーゼ複合体を形成するLタンパク質の安定性が低下した。さらにHsp90阻害剤の処理によって、ウイルスRNAの合成およびウイルス産生が抑制されたことから、Hsp90はウイルスのポリメラーゼ複合体形成を促進することでパラミクソウイルスの増殖を促進する因子であることが明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] Heat shock protein 90 ensures efficient mumps virus replication by assisting with viral polymerase complex formation (2017)
  • 著者名/発表者名: Katoh H, Kubota T, Nakatsu Y, Tahara M, Kidokoro M, Takeda M
  • 雑誌名: Journal of Virology 巻: 91(6) 号: 6
  • DOI: 10.1128/jvi.02220-16
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Mumps Virus Induces Protein-Kinase-R-Dependent Stress Granules, Partly Suppressing Type III Interferon Production. (2016)
  • 著者名/発表者名: Hashimoto S, Yamamoto S, Ogasawara N, Sato T, Yamamoto K, Katoh H, Kubota T, Shiraishi T, Kojima T, Himi T, Tsutsumi H, Yokota S
  • 雑誌名: PLoS One. 巻: Aug 4;3: 号: 8 ページ: 16023-16023
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0161793
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] ムンプスウイルス感染におけるR2TP complexの役割 (2018)
  • 著者名/発表者名: 加藤大志
  • 学会等名: 7th Negative Strand Virus-Japan
• [学会発表] Involvement of the R2TP complex in biogenesis of mumps virus L protein (2017)
  • 著者名/発表者名: Katoh H, Sakata M, Nakatsu Y, Nakagawa R, Kidokoro M, Takeda M
  • 学会等名: 第65回日本ウイルス学会学術集会
• [学会発表] ムンプスウイルスのポリメラーゼ複合体形成におけるHeat shock protein 90の役割 (2016)
  • 著者名/発表者名: 加藤大志、久保田耐、中津祐一郎、木所稔、竹田誠
  • 学会等名: 第39回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2016-11-30
• [学会発表] Heat shock protein 90 promotes mumps virus replication by stabilizing the viral polymerase (2016)
  • 著者名/発表者名: Katoh H, Kubota T, Nakatsu Y, Kidokoro M, Takeda M
  • 学会等名: 第64回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 2016-10-23