研究課題
若手研究(B)
重回帰分析で妊婦の母体血中パルミトレイン酸が増えると共に,その児の小学校5,6年生の肥満度が有意に低下した。臍帯血中IGF-2,H19,LINE-1のDNAメチル化率と小学校1年生から6年生の肥満度との間に有意な関連はなかった。血中脂肪酸は臍帯血中DNAメチル化率と有意に相関したが,DNAメチル化率と小学校1年生から6年生の肥満度の間に有意な関連はなかった。本研究の結果から胎児期の環境要因が学童期の肥満度に影響する作用機序に関して,出生時のIGF-2,H19,LINE-1のDNAメチル化が関与する程度は僅かである可能性が考えられた。
本研究は母の妊娠中の栄養や環境と,その児の小学生の肥満度との関係に,臍帯血中DNAメチル化率がどのように関与するか国内で初めて検討した。胎児期や生後の早期の栄養および環境が成長後の児の発育や疾病発生に影響を及ぼす生体機序に関して,後天的遺伝子修飾であるDNAメチル化はその生体機序の一つであると示唆されている。しかしヒト集団を用いて疫学データとDNAメチル化率との関連を検討した報告はわずかで,本研究はヒトのDNAメチル化と生体影響について貴重な知見を提供した。
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