研究課題/領域番号 |
16K19634
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
佐野 史和 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (00622375)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | てんかん / ミクログリア / アストロサイト / 神経炎症 / 脳神経疾患 / 神経科学 |
研究成果の概要 |
申請者は本研究を通じて、ピロカルピン誘発性側頭葉てんかんモデルマウスにおいて、ミクログリアはけいれん重積後早期に活性化し、てんかん原生獲得期(慢性期)にはアストロサイトのみが活性化していることを見出した。このけいれん重積後早期に活性化するミクログリアをけいれん重積誘発後短期間のみミノサイクリンを投与し薬理学的に抑制すると、慢性期のアストロサイトの形態的な活性化が抑制され、てんかん原生の獲得も阻害されることを見出した(現在投稿準備中)。このことは、活性化ミクログリアによって引き起こされるアストロサイトの異常活性化がてんかん原生獲得過程に強く関係していることを示唆すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を通じて、てんかん原生獲得の分子病態におけるグリア相互作用(活性化ミクログリアが誘導するアストロサイトの活性化)の関与が明らかとなったことで、既存のてんかん治療薬とは全く異なる、グリア細胞を標的とした新たなてんかん治療薬開発の基盤となる成果となりうる。また、これらの結果は、従来の難治てんかんに対する「単にてんかん発作を抑制する」という対症療法的な治療戦略と異なりてんかん原生そのものを予防・消失させるという「てんかんに対する病態修飾治療」という新たな治療戦略の基礎的概念の確立と、臨床応用にむけた萌芽的な研究成果となりうる。
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