研究課題/領域番号 |
16K19788
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
篠塚 一貴 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (50549003)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 養育行動 / 内側視索前野 / 霊長類 / マーモセット / 視床下部 / c-fos / コモンマーモセット |
研究成果の概要 |
本研究では、小型霊長類のコモンマーモセットを対象として、養育行動中の神経活動の可視化および機能抑制を行った。養育行動中の個体では、内側視索前野の一部の領域で神経活動の増加が認められた。また、可逆的機能抑制の効果は十分に得られなかったものの、内側視索前野を不可逆的に損傷すると、子の回収テストにおいて、子を回収するまでの潜時は変化せずに、子の回収後の背負い率が低下し、拒絶率が増加した。したがって、マーモセットの内側視索前野は、子への感受性(回収までの潜時)よりも寛容性(背負い・拒絶率)に重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、親による子の虐待やネグレクトといった不適切な養育が大きな社会問題となっており、適切な養育を行うための神経メカニズムの理解が求められている。これまで養育行動の神経メカニズムは主にげっ歯類を用いて研究され、内側視索前野という領域が重要な役割を持つことが分かっている。しかし、げっ歯類のメカニズムをそのままヒトに外挿するのは難しく、進化的にヒトにより近い霊長類を対象とした研究が必要である。本研究は、一夫一妻で繁殖し家族で子を育てる霊長類であるコモンマーモセットを対象として、霊長類においても内側視索前野が適切な養育行動の発現のために重要であり、特に子への寛容性に強く関わっていることを明らかにした。
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