研究課題
若手研究(B)
初年度は東京都健康長寿医療センターなどブレインバンクを有する専門施設のデータベースから生前のMRIにて「不均衡なクモ膜下腔の拡大を伴う水頭症(DESH)」を呈する7症例を抽出しました.2,3年目は背景病理,臨床情報に加え,画像の定性的及び定量的解析を行いました.その結果,DESH病理確定例の背景病理は嗜銀顆粒病,アルツハイマー病が多く,生前に正常圧水頭症(NPH)の3徴全てを有する症例が少ないことが判明しました.画像所見ではDESHに加え,海馬や中脳被蓋の萎縮を呈する症例が多いとの結果を得ました.本研究の結果はDESHはNPHに特異的とは限らず,様々な背景病理と関連しうることを示唆しています.
本研究は「治療可能な認知症」である特発性正常圧水頭症(iNPH)に特徴的とされる画像所見「不均衡なクモ膜下腔の拡大を伴う水頭症(DESH)」の特異性に関して,病理確定例を用いた検討を行いました.その結果,これらの病理確定例の背景病理は嗜銀顆粒病,アルツハイマー病が多く,生前にiNPHの3徴を必ずしも呈さないことから,DESHがiNPHに必ずしも特異的とは限らないことが示唆されました.様々な背景病理がDESHという共通した画像所見を呈しうることを理解するのはiNPHの生前診断において重要な情報になりうると考えられます.
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