研究課題
若手研究(B)
通常エフェクタータンパクであるYAPはHippoシグナルにより核移行が抑制されている。アクチンの重合化によりHippoシグナルを抑制すると、YAPが核内へ移行しCCN成長因子などの産生を促すことで卵胞発育が促進される。YAPの核移行を促進するという報告のあるリゾホスファチジン酸(LPA)やトロンビンのHippoシグナル抑制の証明と卵胞発育促進効果の有無について評価した。ヒト顆粒膜細胞株にLPAとトロンビンを添加したリアルタイムPCRにおいてHippoシグナルの下流マーカーであるCCN成長因子の発現が増加することを確認した。また、YAPの核内移行についても確認することが出来た。
申請者等の開発したIVAは、これらの患者が自らの卵子で妊娠可能な画期的な方法であるが、2回の腹腔鏡下手術を行うため侵襲度が高く、最終的にIVF-ETが必要で自然妊娠はできない。本研究により、薬剤を用いたHippoシグナルの抑制が可能となれば、低侵襲な卵胞発育の誘導法が開発可能で、自然妊娠すらも可能となる。本法の確立で身体的にも経済的にも患者への負担が非常に軽減され、提供卵子以外の有効な治療法がないこれらの患者の大きな福音となり、生殖医学を大きく発展させると期待される。少子化対策、医療費削減など社会的にも非常に意義が高いと考えられる。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
J Clin Endocrinol Metab
巻: 101 号: 11 ページ: 4405-4412
10.1210/jc.2016-1589