研究課題
若手研究(B)
歯周病が動脈硬化に関与する詳細なメカニズムの解明を目的に、lipopolysaharide(LPS)のヒト大動脈平滑筋細胞(HASMC)の増殖・遊走に対する影響を検討した。LPSのHASMCの増殖促進作用についてMTT assay及びBrdU assayを用いて確認し、toll like receptor4 (TRL4)のノックダウンがLPS刺激によるHASMCの増殖を抑制する事、LPS刺激によるHASMCの増殖にはTLR4/ERKの経路が関与していることを明らかにした。またHASMCの遊走について検討したところ、TLR4のノックダウンでLPS刺激によるHASMCの遊走は有意に抑制された。
虚血性心疾患、脳卒中など心血管疾患発症には動脈硬化が深く関与するが、動脈硬化の発生・進展には種々の危険因子が複雑に絡み合っている。危険因子として、歯周病等感染症も注目されているが、その詳細については一定の見解が得られていない。歯周病患者には、虚血性心疾患の罹患率が高いといった疫学研究が報告されているが、否定的な結果も散見される。本研究の成果より、歯周病原細菌やその産生物が直接動脈硬化を進展させる可能性が示唆された。すなわち、歯周病の予防・治療が、動脈硬化の発生・進展を抑制し、心血管疾患発症を低減させることとなり、国の施策としても揚げられている健康寿命の延伸にも寄与すると考えられる。
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