研究課題/領域番号 |
16K20888
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
麻酔科学
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
古川 智範 弘前大学, 医学研究科, 助教 (60402369)
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研究協力者 |
上野 伸哉
下山 修司
二階堂 義和
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | benzodiazepine / diazepma / Lcn2 / diazepam / ベンゾジアゼピン / lipocalin2 / GABA受容体 / 認知機能 / GABAA受容体 / 向精神薬 / ジアゼパム |
研究成果の概要 |
本研究では、慢性的なベンゾジアゼピン系薬剤の使用によって認知機能が低下するメカニズムを探るため、ジアゼパム(DZP)長期投与マウスを用いて研究を行った。行動評価解析結果から、想起能力の低下がDZP長期投与した老齢マウスにおいて認められた。また、DZPを長期投与した老齢マウスでは、想起能力の低下や、CA1およびCA3領域におけるスパインの密度の減少が認められた。一方、海馬CA1領域におけるLTPやアポトーシス、細胞新生に対するDZP長期投与の影響は認められなかった。老齢マウスでは、DZP長期投与によりCA3領域のスパインが減少することで想起能力が低下する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果から、ベンゾジゼピン系薬剤であるジアゼパム(DZP)の長期使用は老齢マウスの海馬神経細胞のスパインを減少させ、認知機能を低下させる可能性が示唆された。一方、若齢マウスではDZP長期投与による海馬LTPやスパイン密度への影響は認められたものの、認知機能行動には有為な低下は認められなかった。これらの結果は、DZP長期投与の認知機能への影響は加齢に伴って変遷することを示すものであり、学術的にも興味深い。今後、本研究結果をもとにDZP長期投与による認知機能低下の予防法や治療法の開発へ発展させることで、社会的に貢献することができると考えられる。
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