癌遺伝子ΔNp63とmicroRNAを介した癌の浸潤・転移機構の解析と治療応用

• 研究課題/領域番号: 16K21246
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 外科系歯学; 病態科学系歯学・歯科放射線学
• 研究機関: 鹿児島大学
• 研究代表者: 後藤 雄一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00637902)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2020-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円); 2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円); 2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
• キーワード: ΔNp63 / OSCC / miR205 / micro RNA / ZEB1 / EMT / ZEB2 / ΔNp63β / miRNA / miR-205 / 口腔扁平上皮癌 / 歯学 / 癌

研究成果の概要

上皮間葉転換（EMT）は、発生の過程において重要な役割を担うが、近年癌の浸潤、転移においても重要な役割を担うことが明らかとなっている。われわれは、口腔扁平上皮癌（OSCC）において、ΔNp63のスプライシングバリアントであるΔNp63βの発現を抑制することでEMTが誘発されることを明らかにしてきた。さらに最近の知見においてはその分子メカニズムにマイクロRNA（miRNA）の関与が示唆されている。われわれはΔNp63の下流でmiR-205が重要な役割を果たしEMTと関連するZEB1、ZEB2などの間葉系マーカーがターゲットとなり発現がコントロールされていることを発見した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

上皮系癌である口腔扁平上皮癌の浸潤・転移の分子メカニズムの一端を明らかにした。癌の転移は生命予後を左右する重要な事象で有るが、そのコントロールは出来ていない。浸潤・転移の分子メカニズムの全容が解明されることにより、その治療戦略が大きな転換点を迎える可能性があり、増加する口腔がんの治療戦略へ一石を投じることが出来る。

研究成果

• [雑誌論文] Significant association of increased PD-L1 and PD-1 expression with nodal metastasis and a poor prognosis in oral squamous cell carcinoma. (2018)
  • 著者名/発表者名: Maruse Y, Kawano S, Jinno T, Matsubara R, Goto Y, Kaneko N, Sakamoto T, Hashiguchi Y, Moriyama M, Toyoshima T, Kitamura R, Tanaka H, Oobu K, Kiyoshima T, Nakamura S.
  • 雑誌名: International Journal of Oral and Maxillofacial Surgery 巻: － 号: 7 ページ: 836-845
  • DOI: 10.1016/j.ijom.2018.01.004
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Tumor-suppressive roles of ΔNp63β-miR-205 axis in epithelial-mesenchymal transition of oral squamous cell carcinoma via targeting ZEB1 and ZEB2. (2017)
  • 著者名/発表者名: Yuma Hashiguchi, Shintaro Kawano, Yuichi Goto, Kaori Yasuda, Naoki Kaneko, Taiki Sakamoto, Ryota Matsubara, Teppei Jinno, Yasuyuki Maruse, Hideaki Tanaka, Masahiko Morioka, Taichi Hattori, Shoichi Tanaka, Tamotsu Kiyoshima, Seiji Nakamura
  • 雑誌名: Journal of Cellular Physiology 巻: － 号: 10 ページ: 6565-6577
  • DOI: 10.1002/jcp.26267
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Differential roles of kallikrein-related peptidase 6 in malignant transformation and ΔNp63β-mediated epithelial-mesenchymal transition of oral squamous cell carcinoma. (2017)
  • 著者名/発表者名: Naoki Kaneko, Shintaro Kawano, Kaori Yasuda, Yuma Hashiguchi, Taiki Sakamoto, Ryota Matsubara, Yuichi Goto, Teppei Jinno, Yasuyuki Maruse, Masahiko Morioka, Taichi Hattori, Shoichi Tanaka, Hideaki Tanaka, Ryoji Kitamura, Tamotsu Kiyoshima, Seiji Nakamura
  • 雑誌名: Oral Oncology 巻: 75 ページ: 148-157
  • DOI: 10.1016/j.oraloncology.2017.11.004
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Cytokeratin 17 mRNA as a prognostic marker of oral squamous cell carcinoma. (2017)
  • 著者名/発表者名: Ryoji Kitamura, Takeshi Toyoshima, Hideaki Tanaka, Shintaro Kawano, Ryota Matsubara, Yuichi Goto, Teppei Jinno, Yasuyuki Maruse, Kazunari Oobu, Seiji Nakamura
  • 雑誌名: Oncology Letters 巻: 14 ページ: 6735-6743
  • DOI: 10.3892/ol.2017.7066
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Critical roles of Wnt5a-Ror2 signaling in aggressiveness of tongue squamous cell carcinoma and production of matrix metalloproteinase-2 via ΔNp63β-mediated epithelial-mesenchymal transition. (2017)
  • 著者名/発表者名: Taiki Sakamoto, Shintaro Kawano, Ryota Matsubara, Yuichi Goto, Teppei Jinno, Yasuyuki Maruse, Naoki Kaneko, Yuma Hashiguchi, Taichi Hattori, Shoichi Tanaka, Ryoji Kitamura, Tamotsu Kiyoshima, Seiji Nakamura
  • 雑誌名: Oral Oncology 巻: 69 ページ: 15-25
  • DOI: 10.1016/j.oraloncology.2017.03.019
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Erratum to: Tongue squamous cell carcinoma producing both parathyroid hormone-related protein and granulocyte colony-stimulating factor: a case report and literature review. (2016)
  • 著者名/発表者名: Kaneko N, Kawano S, Matsubara R, Goto Y, Jinno T, Maruse Y, Sakamoto T, Hashiguchi Y, Iida M, Nakamura S.
  • 雑誌名: World Journal of Surgical Oncology 巻: 14(1) 号: 1 ページ: 161-161
  • DOI: 10.1186/s12957-016-0918-1
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] 巨舌を呈した舌対称性脂肪腫症の1例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 見立 英史, 川野 真太郎, 清島 保, 三上 友里恵, 後藤 雄一, 河津 俊幸, 池邉 哲郎, 中村 誠司
  • 雑誌名: 日本口腔腫瘍学会誌 巻: 28 号: 4 ページ: 293-298
  • DOI: 10.5843/jsot.28.293
  • NAID: 130006789890
  • ISSN: 0915-5988, 1884-4995
  • 査読あり
• [学会発表] Inflammation based prognostic scoreを用いたARONJにおける外科的治療の予後予測 (2019)
  • 著者名/発表者名: 後藤雄一、田畑博章、比地岡浩志、東友太郎、西慶太郎、内野祥徳、田中昭彦、久米健一、別府真広、杉浦 剛
  • 学会等名: 第52回口腔科学会九州地方会
• [学会発表] 口腔癌におけるInflammation based prognostic score(IBPS)の有用性の検討 (2019)
  • 著者名/発表者名: 東友太郎、後藤雄一、山城康太、松村吉晃、田中秀明、久米健一、田中昭彦、別府真広、山下真由美、浜田倫史、比地岡浩志、杉浦剛
  • 学会等名: 第64回口腔外科学会総会・学術大会
• [学会発表] ウェアラブルデバイスを用いた口腔癌患者に対する新たな嚥下機能評価の試み (2019)
  • 著者名/発表者名: 田中昭彦、西 慶太郎、有村麻弥、後藤雄一、濱田倫史、杉浦 剛
  • 学会等名: 第25回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会
• [学会発表] 敗血症初期蘇生管理における急性血液浄化療法-循環・体液管理- 当施設における敗血症性ショック時の循環管理法 (2018)
  • 著者名/発表者名: 垣花 泰之, 安田 智嗣, 二木 貴弘, 大隣 貴仁, 古別府 裕明, 寺田 晋作, 宮本 昇太郎, 山下 翔太, 町田 千尋, 後藤 雄一, 上国料 千夏, 伊藤 隆史
  • 学会等名: 日本急性血液浄化学会
• [学会発表] 敗血症性ショックにおける急性血液浄化療法の導入意義とは? (2018)
  • 著者名/発表者名: 垣花 泰之, 安田 智嗣, 二木 貴弘, 大隣 貴仁, 古別府 裕明, 寺田 晋作, 宮本 昇太郎, 山下 翔太, 町田 千尋, 後藤 雄一, 上国料 千夏, 八島 望, 十時 崇彰, 谷口 賢二郎, 伊藤 隆史
  • 学会等名: 日本急性血液浄化学会
• [学会発表] Detecting oral squamous cell carcinoma by novel serum microRNA panel (2018)
  • 著者名/発表者名: 中村 康大, 浜田 倫史, 有村 麻弥, 松村 吉晃, 山城 康太, 内野 祥徳, 森 和樹, 日焼 菜央美, 後藤 雄一, 杉浦 剛
  • 学会等名: 日本癌学会
• [学会発表] 舌エコーの画像所見による潜在的頸部リンパ節転移の予測 (2018)
  • 著者名/発表者名: 服部 多市, 川野 真太郎, 三上 友里恵, 筑井 徹, 河津 俊幸, 松原 良太, 後藤 雄一, 金子 直樹, 坂本 泰基, 橋口 有真, 神野 哲平, 丸瀬 靖之, 田中 翔一, 大部 一成, 中村 誠司
  • 学会等名: 日本口腔科学会
• [学会発表] 当科における過去3年間の口腔癌の治療成績に関する臨床病理学的検討 (2018)
  • 著者名/発表者名: 山城 康太, 浜田 倫史, 内野 祥徳, 有村 麻弥, 中村 康大, 松村 吉晃, 後藤 雄一, 別府 真広, 比地岡 浩志, 杉浦 剛
  • 学会等名: 日本口腔科学会
• [学会発表] 口腔癌術治療時に著明な低ナトリウム血症を認め診断治療に苦慮した2例 (2018)
  • 著者名/発表者名: ：三島 優美子, 後藤 雄一, 別府 真広, 山下 薫, 濱田 倫史, 坂元 亮一, 今村 晴幸, 杉村 光隆, 杉浦 剛
  • 学会等名: 日本口腔科学会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるΔNp63に関連した miR-205の役割について (2018)
  • 著者名/発表者名: 橋口 有真、川野 真太郎、後藤 雄一、松原 良太、金子 直樹、坂本 泰基、服部 多市、 田中 翔一、中村 誠司
  • 学会等名: 第36回 日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるkallikrein related peptidase 6の発現と機能に関する研究 (2017)
  • 著者名/発表者名: 金子直樹, 川野真太郎, 松原良太, 後藤雄一, 坂本泰基, 橋口有真, 神野哲平, 丸瀬靖之, 松村万由, 服部多市, 田中秀明, 大部一成, 中村誠司
  • 学会等名: 第35回 日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2017-01-26
• [学会発表] 左側全頸部郭清後に乳糜胸をきたした１例 (2017)
  • 著者名/発表者名: 後藤雄一、今村晴幸、坂元亮一、松村吉晃、石田喬之、別府真広、杉浦 剛
  • 学会等名: 第35回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2017-01-26
• [学会発表] 医療用ヒルにて腹直筋皮弁のうっ血状態が改善した１例 (2017)
  • 著者名/発表者名: 松村吉晃、後藤雄一、比地岡浩志、吉村卓也、別府真広、今村晴幸、坂元亮一、杉浦 剛
  • 学会等名: 第35回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2017-01-26
• [学会発表] シンポジウム U-40：頭頸癌診療への挑戦 (2017)
  • 著者名/発表者名: 松原 良太、川野 真太郎、後藤 雄一、金子 直樹、橋口 有真、坂本 泰基、中村 誠司
  • 学会等名: 第41回 日本頭頸部癌学会総会・学術大会
  • 招待講演
• [学会発表] Involvement of Wnt5a-Ror2 signaling in aggressiveness of oral squamous cell carcinoma through ΔNp63β-mediated EMT (2017)
  • 著者名/発表者名: Taiki Sakamoto, Shintaro Kawano, Ryota Matsubara, Yuichi Goto, Teppei Jinno, Yasuyuki Maruse, Naoki Kaneko, Yuma Hashiguchi, Taichi Hattori, Shoichi Tanaka, Kazunari Oobu, Seiji Nakamura
  • 学会等名: KAOMS 2017
  • 国際学会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌の浸潤・遊走におけるΔNp63βを介したWnt5a-Ror2シグナル経路の関与 (2017)
  • 著者名/発表者名: 坂本 泰基・川野 真太郎・松原 良太・後藤 雄一・神野 哲平・丸瀬 靖之・金子 直樹・橋口 有真・服部 多市・田中 翔一・中村 誠司
  • 学会等名: 第41回日本頭頸部癌学会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌頸部転移に対するS-1（UFT）併用術後化学放射線治療の有用性についての検討 (2017)
  • 著者名/発表者名: 坂本泰基・大部一成・金子直樹・後藤雄一・松原良太・神野哲平・丸瀬靖之・橋口有真・服部多市・川野真太郎・中村誠司
  • 学会等名: 九州地区口腔癌研究会 第21回学術講演会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌の浸潤・遊走におけるΔNp63βを介したWnt5a-Ror2シグナル経路の関与 (2017)
  • 著者名/発表者名: 坂本 泰基・川野 真太郎・松原 良太・後藤 雄一・神野 哲平・丸瀬 靖之・金子 直樹・橋口 有真・服部 多市・田中 翔一・中村 誠司
  • 学会等名: 第62回日本口腔外科学会総会・学術大会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるkallikrein-related peptidase 6の発現と機能に関する研究 (2017)
  • 著者名/発表者名: 金子 直樹・川野 真太郎・松原 良太・後藤 雄一・神野 哲平・丸瀬 靖之・坂本 泰基・橋口 有真・服部 多市・田中 翔一・田中 秀明・大部 一成・中村 誠司
  • 学会等名: 第41回日本頭頸部癌学会
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるkallikrein-related peptidase 6の発現と機能に関する研究 (2017)
  • 著者名/発表者名: 金子 直樹・川野 真太郎・松原 良太・後藤 雄一・神野 哲平・丸瀬 靖之・坂本 泰基・橋口 有真・服部 多市・田中 翔一・田中 秀明・大部 一成・中村 誠司
  • 学会等名: 第62回 日本口腔外科学会総会・学術大会
• [学会発表] 右側下顎疼痛を初発症状とし脳腫瘍が発見された症候性三叉神経痛の一例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 後藤雄一、濵田倫史、山下麻由美、中村康大、上川善昭、杉浦 剛
  • 学会等名: 第84回日本口腔外科学会九州支部学術集会
  • 発表場所: 九州歯科大学講堂（福岡県北九州市）
  • 年月日: 2016-06-18
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるmiR-205の発現と機能に関する研究～特にΔNp63との関連について～ (2016)
  • 著者名/発表者名: 橋口有真, 川野真太郎, 後藤雄一, 松原良太, 神野哲平, 丸瀬靖之, 金子直樹, 坂本泰基, 松村万由, 中村誠司
  • 学会等名: 第70回 日本口腔科学会学術集会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-04-15
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌の遊走能におけるΔNp63を介したWnt5a-Ror2シグナル経路の関連 (2016)
  • 著者名/発表者名: 坂本泰基, 川野真太郎, 松原良太, 後藤雄一, 神野哲平, 丸瀬靖之, 金子直樹, 橋口有真, 大部一成, 中村誠司
  • 学会等名: 第70回 日本口腔科学会学術集会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-04-15
• [学会発表] 口腔扁平上皮癌におけるkallikrein related peptidase 6の発現と機能に関する研究 (2016)
  • 著者名/発表者名: 金子直樹, 川野真太郎, 松原良太, 後藤雄一, 坂本泰基, 橋口有真, 神野哲平, 丸瀬靖之, 松村万由, 中村誠司
  • 学会等名: 第70回 日本口腔科学会学術集会
  • 発表場所: 福岡国際会議場（福岡県福岡市）
  • 年月日: 2016-04-15
• [備考] 鹿児島大学研究者総覧
  • URL: http://ris.kuas.kagoshima-u.ac.jp/search?m=home&l=ja