研究課題/領域番号 |
16K21690
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境動態解析
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 一般財団法人電力中央研究所 |
研究代表者 |
板橋 秀一 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 主任研究員 (10714537)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 沈着量 / ソース・レセプター解析 / 化学物質輸送モデル / トレーサー法 / 直接感度解析法 / モデル相互比較研究 / 降水量補正法 / 世界気象機関 / MMF-TAD / 環境変動 / 環境政策 / 地球化学 / 気象学 / 大気汚染防止・浄化 |
研究成果の概要 |
大気汚染は国境を超えうる問題であり,発生域(ソース)と受容域(レセプター)の関係を定量的に把握する必要がある.本科研費では,大気汚染物質の大気中濃度に適用してきたソース・レセプター解析手法を沈着量に応用する新展開を図った. 線型性を仮定し計算負荷を低減したトレーサー法により,硫酸塩の大気中濃度と乾性・湿性沈着量のソース・レセプター関係を通年スケールで評価した.一方,計算負荷は大きいが非線形性を評価できる直接感度解析法では,降水イベントそのもののモデル再現性が計算不安定の要因の一つとなった.観測データのとりまとめからは,今後東アジアスケールで窒素沈着が重要となっていく可能性が見出された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
沈着過程は大気からのアウトプットである一方,森林や土壌などの地表面へのインプットでもある.東アジア域の大気汚染物質排出量の増加の影響は,大気中濃度のみならず乾性・湿性沈着にも影響を与える.このことから,本科研費ではソース・レセプター解析手法を沈着量に展開した. 湿性沈着量の再現性には,モデル計算値の降水量を観測値で代替する降水量補正法が有効であり,アジア域モデル相互比較研究(MICS-Asia)を通じてもそれを実証した.この成果は世界気象機関(WMO)の専門家会合で講演を行うなど,世界で最も排出量の過密するアジア域における沈着量研究を推進した.
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