研究課題
基盤研究(B)
特発性肺線維症の患者肺の外科的肺生検および急性増悪発症後の剖検肺の病理所見の比較を検討した結果、以下のことを見出した。(1)特発性肺線維症患者肺の線維化は小葉隔壁および胸膜下にすすみ、その中にあるリンパ管内皮細胞は外科的肺生検の時点ですでにアポトーシスにおちいって、その多くが破壊される。(2)線維化病変を囲む肺胞壁には毛細血管が増殖し、VEGFも増えて漏出しやすい状態になっている。(3)さらにこの増殖した肺胞毛細血管では血液凝固阻害作用のあるトロンボモジュリン産生能が低下して、毛細血管内凝固が促進している。(4)急性増悪病変はこのような肺組織の病的リモデリングを背景としておこり、わずかなサイトカインの変化がおきても肺胞クリアランスが不十分であるために肺の炎症が遅延し、HMGB1およびMCP-1が肺内に蓄積する。(5)HMGB1阻害作用のあるトロンボモジュリンの産生低下によってHMGB1による組織障害が高まり、さらにMCP-1が増加する原因となっている。(6)線維芽細胞は筋線維芽細胞に分化後血管増殖とリンパ管増殖療法を阻害する作用をもつvasohibinを産生することを、in vitroとin vivoで検証した。こうした肺線維症における筋線維芽細胞を中心とした病態を抑制する治療法としてサイクロスポリンの免疫抑制作用以外のはたらきに注目した。線維芽細胞をTGF-betaで筋線維芽細胞に分化させた前後、およびそれにサイクロスポリンの投与に対する反応をマイクロアレイを用いて解析した。結果としてサイクロスポリンが免疫抑制効果ばなりでなく、筋線維芽細胞から産生される線維化関連遺伝子産物も抑制することをしめした。さらに実際の肺線維症患者肺の急性増悪発症前後のマイクロアレイによる遺伝子産物の変化を比較した。これらの結果からサイクロスポリンによる抗線維化作用を始めて示し、また早期急性増悪病態に対する好中球エラスターゼ阻害療法の妥当性を示した。
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