研究課題/領域番号 |
17530271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
長谷川 信 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40144050)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 電気通信 / 通信機工業 / 逓信省 / 自動交換機 / 産業政策 / 日本電気 / 随意契約 / 経済史 |
研究概要 |
本研究の課題は、両大戦間期における逓信省購買の変化を企業行動との関連で、実証的に明らかにすることである。すでに、平成17年度に、逓信省関係の通信機器購買に関する資料調査、収集、通信機器メーカーの経営資料の調査、収集、およびそれら資料の整理をすすめた。引き続いて、平成18年度は、逓信省の「指定製造所」となった主要な通信機メーカー、および1930年代以降、戦時期にかけて増加した通信機メーカーを対象に、その企業行動を明らかにする作業に着手した。逓信省購買のもとで組織された通信機メーカーは、逓信省の仕様書のなかに「指定製造所」として記載される方式が採られるようになり、これによって、逓信省は各メーカーの技術力、生産能力などを考慮しながら随意契約によって適宜、分割発注することが出来るようになった。一方、通信機メーカー側は、自働交換機に関するカルテル協定を締結して、部分的な協調からはじまり、しだいにカルテル協定の精緻な運用をおこなうようになった。逓信省は、主要通信機メーカーの技術力、生産能力などに関する内部情報をある程度掌握することによって、必要な通信機器の調達を円滑化することができた。またその一方で、主要メーカー間の協調的な行動が顕在化することによって、通信機器業界の組織性が高まったといえる。戦前期から戦後期にかけての購買方式の長期的変化という視点から見ると、1920年代末から30年代初めの時期が、随意契約による購買方式の成立期と捉えられる。そして、この随意契約による購買方式は、第2次大戦後には日本電信電話公社による購買方式として引き継がれ、1980年代以降の規制緩和の流れのなかで大きく変貌することになる(『現代日本経済[新版]』)。戦時期に生じた変化を前提に、戦後の通信機メーカーの産業組織と電電公社の購買行動の変化を分析することが残された課題である。
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