研究課題
基盤研究(C)
大型船舶用風力利用補助推進システムとして、ドジャー支持構造と機関用等の空気吸い込みエネルギーを利用するシステムを構築し、その基礎的研究を実施し下記の成果を得た。1.空気吸い込み式円筒帆の概念の確立と基礎的な流力特性を明らかにし、船舶の補助推進装置として実用的な利用の可能性があることを示した。具体的には大型風洞における実験を行い、円筒帆の発生する最大揚力係数CLが7.5程度であり、揚抗比CL/CDでは1.3程度となり、有意な補助推進力が得られることをしめした。2.空気吸い込み方式としてスリット型と多孔板型の2種類についてその優位性を検討した結果、スリット型が最大推力の発生量の観点から優れていること、さらに発生揚力の風向依存性が少ないことを示した。従って、実用化に関してはスリット型が多孔板型に比べ優位であることを明らかにした。3.空気吸い込み量については、建造実船を対象にした機関駆動用、船内換気用等のための必要空気吸い込み量の調査を行い、発生推力の必要空気量との関係を明らかにし、実用化の可能性を評価した。4.流体力学的な観点からは、円筒帆周りの流速流向を実験的に明らかにするとともに、吸い込み空気量と揚力の関係を示した。また、システムの性能向上のためのスリット機構の改良の方策として、可動型ルーバーの概念を導入し、従来の固定型スリットからの一層の向上の可能性を検討し、ルーバー開度と管内流場が抗力と大きな関連をもつ可能性を明らかにし、今後の改良方針を示すことができた。5.今後の検討課題として、実用化に際してはさらなる性能向上が必要であり、その方法としてスリット開度の変更などの動的システムの導入により推進力の向上が期待される。
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