研究課題/領域番号 |
17591265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 (2006) 京都大学 (2005) |
研究代表者 |
佐賀 恒夫 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, グループリーダー (40273445)
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研究分担者 |
荒木 則雄 京都大学, 医学研究科, 助手 (20362486)
河嶋 秀和 京都大学, 医学研究科, 助手 (70359438)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / ポジトロン断層法 / チミジン誘導体 / 悪性度診断 |
研究概要 |
FLT合成装置の不調が長引いたが、平成17年度、18年度の2年間で、計23症例(うち原発性脳腫瘍は12症例)のFLT-PET検査を施行可能であった。研究内容を文書にて説明し、同意を得た患者にFLT約370MBqを静脈内投与、40分後より頭部の撮像(エミッションスキャン20分、トランスミッションスキャン3分)を行った。病巣部に関心領域を設定し、FLTの腫瘍集積の半定量値(SUV)を測定し、病理診断や各種画像・臨床像と比較検討した。 これ以前の症例も含め、原発性脳腫瘍の悪性度診断におけるFLT-PETの有用性に関する評価結果をまとめ、(1)FLTの腫瘍集積性が原発性脳腫瘍の悪性度を反映すること、(2)FLTの腫瘍集積性が組織学的に決定された細胞増殖のマーカーであるKi-67発現の程度に相関すること、(3)しかしながら血液脳関門の破綻を伴う良性疾患や肉芽腫でも疑陽性を呈しうること、を論文に発表した(Saga T, et al. Clin Nucl Med, 2006;31:774-80)。 原発性脳腫瘍への治療前のFLTの腫瘍集積性をもとに予後を予測可能かどうか検討するために、FLT-PETが施行された患者の予後調査を行った。再発の有無を追跡可能であった14例中、12例で治療後1〜22ヶ月で再発が認められたが、FLTの集積性(SUV)と再発までの期間に有意な相関を認めなかった。 治療前後でFLT-PET検査が施行された4症例において、SUVの変化とその後の経過を比較したところ、治療後のSUVの低下率の低かった2症例は共に1年以内に再発、一方低下率の高かった2例中1例は早期に再発したが、残る1症例は経過良好で、再発を認めていない。さらに症例を増やしての検討が必要と思われる。 FLTの腫瘍内分布を放射線治療計画や生検部位の設定に応用する目的で、PET画像とCT画像・MRI画像の融合を試みた。
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