研究課題/領域番号 |
17592313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
瀧尻 明子 神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (70382249)
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研究分担者 |
植本 雅治 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (90176644)
松葉 祥一 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00295768)
川口 貞親 九州大学, 医学部保健学科, 講師 (00295776)
小川 晃 神戸市看護大学, 看護学部, 助手 (70326320)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 高齢者 / 社会的孤立 / 抑うつ傾向 / 情報不足と誤認 / 人材・資源の充実 / ネットワーク / 自助自立 / 支援者 / 情報 / 人的資源確保と質の向上 / 自立の場 / うつ傾向 / 生活困難 / 連携体制 |
研究概要 |
調査I 神戸市在住の60歳以上のベトナム人18名を対象とし、ベトナム語に翻訳した調査用紙をもとに通訳同席の面接法で調査を行ない、以下のような結果を得た。1)社会的支援を家族以外からは受けにくく、家族への期待が大きい傾向がある。2)言葉の壁により、社会と接触する機会が少なくなりがちである。3)主観的健康度は低い。抑うつ傾向が強く、それが身体化していることも考えられる。4)保健福祉サービスに関する情報を得がたく、現状を知らないため、悪いイメージを持ちやすい。5)今後も日本での生活を望んでいるが、満足のいく暮らしとはいいがたい。 調査II ベトナム人支援の経験を持つ人12名に対して半構成的面接を行ない、その内容を分析した。関わる上で困難と感じることをカテゴリ化したところ、ベトナム人側、通訳、日本人側それぞれに起因する問題に分類され、ミクロレベルからマクロレベルの問題を含んでいた。ベトナム人側に起因する問題としては<非援助者の弱い立場><コミュニケーションツールの乏しさ><情報の乏しさ><明らかでない生活実態><日本に馴染まない文化><コミュニティの存在そのもの>であった。通訳では<不適切な通訳><不適切な通訳者><通訳確保の難しさ><不安定な身分>であった。日本人側では<感情的巻き込まれ><言葉の不自由さ><差別・偏見><温度差のある対応><お役所体質><制度の未整備>であった。 これらの結果から、在日ベトナム人が日本で尊厳ある平和な余生を送るためには「柔軟に対応できる通訳制度の確立」、「高齢でも学べ、自己価値を高められる場」、「十分な情報提供」、「支援者に対する教育体制や身分保障などによる人的資源の確保と質の向上」「人材情報ネットワークの構築」「ベトナム人の自立と活躍の場の確保」を盛り込んだ保健福祉を提供することが必要である。
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