研究課題/領域番号 |
17770115
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2006) 大阪市立大学 (2005) |
研究代表者 |
大谷 直人 慶應義塾大学, 大学院政策・メディア研究科, 助手 (70365451)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 分子モーター / ナノバイオロジー / タンパク質工学 / 機能未知タンパク質 / 滑走運動 / ATP加水分解 / ATPase / NTPase |
研究概要 |
マイコプラズマの一種Mycoplasma mobileの滑走運動は、ATPの加水分解エネルギーを原動力とし、既知の生体運動とは異なるメカニズムで起こると考えられる。この運動メカニズムを解明することを目的とし、ATPの加水分解を担うタンパク質の同定を試みた。滑走運動にはGli123、Gli349、Gli521という3つの巨大タンパク質が関与するが、初年度の研究において、これらのタンパク質からATPase活性は見いだされなかった。しかしながら、これらをコードする遺伝子の下流に位置し、共にオペロンを形成する遺伝子の産物(P42タンパク質)が、ATPase活性を有することを明らかにした。ATPアナログを用いた光アフィニティーラベリングの結果も、P42にATPが特異的に結合する部位が存在することを強く指示するものであった。機能未知であった本酵素(P42)は、ADPおよびAMPを加水分解することはできないが、ATPおよびそれ以外のヌクレオシド三リン酸(特にGTP、TTP、dATP、dGTPなどを好む)も加水分解できるため、その基質特異性によりNTPaseと同定される。P42には多くのATPase(NTPase)に保存された一次構造上のヌクレオチド結合モチーフ(Pループ)は見られず、新規のNTPaseと言える。P42の酵素学的性質は、以前の研究により予想された「滑走運動に関わるATPase」の性質と非常に類似しており、P42が滑走運動の原動力となるATP加水分解を担うモータータンパク質であるという考えを支持する。今後は、このP42タンパク質と滑走運動との関係性を明らかにしていく予定である。
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