研究課題
基盤研究(A)
音場再生システムの総合的な性能向上を目指し,24本の鋭指向性マイクアレイと同数のスピーカで構成されるシステムを題材にして検討を行った。ここでは,A) 再生に物理的な根拠があること,B) 受聴者の存在など不可避な外乱に対して頑健であること,C) 付加的な演出を受け入れる余地があること,D) 映像情報との親和性が高いことの4条件を拠り所とし,物理的な測定と人の主観評価を併用して性能評価を実施した。結果として,収録時に信号の性質を限定するビームフォーミングの有効性が大きいことが明らかになった。またコンテンツとの相性はあるものの,映像情報により没入感が大きく向上することなどが明らかになった。
本研究で提案したシステムは,鋭指向性のマイクとほぼ同方向に配置したスピーカの組み合わせで実現されるものであり,直感的にもわかりやすい構成である。更に球面調和領域での指向性制御という比較的新しい信号処理技術を導入することで,高い基本的性能を持つシステムを構築することができた。また録音等で用いられる機材を導入することで,高品質の収録再生が可能となっている。聴感上の印象もよく,結果として工学的デザインおよび芸術的なデザインの両立に成功していると考えている。これは複数の企業の研究所等において同様のシステムが構築され,社会実装されていることからも明らかである。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 5件、 招待講演 8件) 備考 (2件)
Acoustical Science and Technology
巻: 41 号: 1 ページ: 151-159
10.1250/ast.41.151
130007782658
巻: 39 号: 4 ページ: 295-304
10.1250/ast.39.295
130007387270
http://www.design.kyushu-u.ac.jp/~omotoken/research/
https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K002321/