研究課題/領域番号 |
17H02330
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文学一般
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
西尾 哲夫 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (90221473)
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研究分担者 |
小田 淳一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (10177230)
岡本 尚子 国立民族学博物館, グローバル地域研究国立民族学博物館拠点, 特任助教 (90600817)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2017年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 外国文学 / アラブ文学 / 比較文学 / 中東 / イスラーム |
研究成果の概要 |
シンドバード航海記はアラビアンナイトで最も有名な物語のひとつだが、その形成過程は未解明である。同物語は近世以後のエジプトで編集された標準写本群には入っているが、シリアで編集されたアラビアンナイトの原型には含まれておらず、成立時期だけでなく、アラビアンナイトに収録された過程も謎のままである。 本研究で新たに発見した、キリスト教徒の伝承による従来の標準版とはまったく異なる写本を校訂出版ならびに日本語訳をするとともに、全写本の相互関係を精査して、シンドバード航海記の成立過程を再検証し、異文明間を往来しつつ結節点を創出したアラビアンナイトの研究を足掛かりとして多元的価値世界への可能性を探った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キリスト教徒による伝承の分析を通してシンドバード航海記の成立と伝承過程をめぐる新仮説を提唱するとともに、従来はアラブ的かつイスラーム的な文学伝統としてのみ捉えられてきたアラビアンナイトの形成過程を新たな視点で再検証することで、多元的価値共創文学の研究に向けた新領域を開拓する可能性があることを示した。 インド洋海域世界におけるアラブ世界との関係に関する貴重な資料を提供することができ、海を知る人たちにとっての実用的案内書から、街に暮らす人たちにとっての娯楽的冒険譚へと変わる過程からは、異域を移動することで集積していく情報がどのように人びとの世界観に影響を与えるかということが明らかにできる。
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