研究課題
基盤研究(B)
古典的とペプチド性の神経伝達物質は,それぞれ異なった様式で産生さる小型なシナプス小胞と大型な有芯小胞に取り込まれたのち,類似した開口放出現象によって放出される。本研究では,両方の開口放出に関与するCAPSタンパク質の機能的な役割と生理・行動における意義を明らかにすることを目的とした。CAPS1は,海馬におけるグルタミン酸シナプス小胞の開口放出に関与し,シナプス伝達と可塑性に重要な役割をもち,学習記憶に必須であることが示唆された。CAPS2は,プロオピオメラノコルチン有芯小胞とオキシトシン有芯小胞の開口放出に関与し,それぞれ摂食の制御と社会行動の発現に重要な役割を果たすことが示唆された。
CAPS1は,興奮性グルタミン酸シナプス小胞の開口放出機構に関与し,海馬シナプス伝達,シナプス可塑性の回路機能から,学習記憶行動まで重要な役割をもつ。CAPS2は,神経ペプチドを含む有芯小胞の開口放出機構に関与し,CAPS2依存的なプロオピオメラノコルチン分泌は摂食行動に,CAPS2依存的なオキシトシン分泌は社会行動に,それぞれ関連することが示された。これらの研究成果から,中枢神経系の古典的とペプチド性の神経伝達物質をそれぞれ含有するシナプス小胞と有芯小胞の開口放出機構が,CAPSという共通のタンパク質によって制御されており,この欠損が多様な神経機能異常を引き起こすことが解明された。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 3件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (33件) (うち国際学会 11件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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