研究課題
基盤研究(B)
植物の再生はオーキシンやサイトカイニンなどの植物ホルモンによって著しく促進されるが、そのメカニズムは断片的にしか理解されていない。本研究では、enhanced yeast-one-hybrid解析を基に網羅的な転写制御ネットワークを構築し、この分子機構の解明を進めた。またクロマチンレベルの制御が器官再生において果たす役割を検討した。さらに、プロトプラストの実験系を導入し、高度に分化した細胞が脱分化を介して個体再生を行うしくみの解明を進めた。
植物ホルモンを用いた組織培養技術の確立は20世紀の植物生理学の発展の金字塔のひとつといっても過言ではないが、そのしくみについては驚くほど分かっていない。本研究は植物の器官再生を司る鍵遺伝子の転写制御関係を包括的に明らかにしようとする点に学術的意義がある。近年ゲノム編集技術が急速に進歩しているが、多くの主要作物において形質転換後の器官再生、特に茎葉再生の効率の低さが大きなボトルネックとなっている。本研究から茎葉再生制御のしくみが明らかになれば新たな組織培養技術の開発につながり、こうした問題の解決に貢献するものと期待される。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 5件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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