研究課題
基盤研究(B)
1991年に新しい腸管毒素原性大腸菌(ETEC)を集団食中毒患者から検出し、本菌が細胞に対して特異な凝集接着性を有することを発見した。本菌が保有する3種の腸管接着因子候補のうち、K88-like遺伝子が本菌の特異な接着性に寄与していることを明らかにした。患者血清中には、K88-likeに対する抗体は見られなかったが、ブタが高率に保有することが明らかになった。ヒトのETECはヒトにのみ感染するとされてきたが、本菌は接着因子を使い分けることで、人獣共通感染症を起こすと推察される。
腸管毒素原性大腸菌(ETEC)はヒトのみならず、ウシやブタの下痢症原因菌でもあるが、それぞれの動物種にはそれぞれのETECがあり、ETECが種間を超えて人獣共通感染症をおこすことはないとされてきた。本研究は、ヒトのETECで最も検出頻度の高いO169がブタの腸上皮に付着するための遺伝子を保有し、ブタの多くがこの新規接着因子に対する抗体を血清中に保持していた。ETECには人獣共通感染症の原因になり得るものがあり、その対策をOne healthの概念の下で検討する必要があることが示された。
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